背景
- プロジェクトにおいてプロジェクトリード(リードエンジニアやリードデザイナーなど)を支援する体制として、職能毎のチーム内で支援する体制に加えて、二重の支援体制として、チーム間で支援する構造がゆめみにはある
- そこに加えて、三重の支援体制としてテクニカルリード・デザインテクニカルリード、PMテクニカルリードリードなどのテクニカルリードチームが後方支援を行っている
- 後方支援を行うテクニカルリードがどのような戦術的な動き方を行うか規定する必要があるので明確化した
- カスタマーリードの位置付けを定義した(2021/3/15)
- ZACの実績管理として「テクニカルリード業務」を対応させた(2021/4/9)
- テックリード職とテクニカルリードの役割を明示的に区別するために、テックリードチームをテクニカルリードチームと呼称変更した(2022/2/23)
役割
- テクニカルリードは効果的な後方支援を行うために以下のような戦術的な動き方を行う事をガイドラインとする
テックリード職とテクニカルリードの役割の違い(2022/02/23)
- 特にエンジニア人材市場における職種としての「テックリード」と、後方支援の役割としての「テクニカルリード」は異なる
- テックリード職は、テクニカルリードの役割を共通として持ちつつも、それぞれの興味、関心、強みを活かした上で、組織やグループに対して貢献することが期待される
- テックリード職の人は、リードエンジニアやマイスターエンジニアを兼務することもある
- また、テックリード職の人が委員会活動を行う際には、技術開発、技術広報、採用、育成、登壇、執筆、OSS活動など興味、関心、強みを活かして活動を行うことができる
- 特に一つの職能グループが100名の人数規模になると、テックリード職が20名ぐらいになる場合、例えば一つの領域に特化した委員会活動を行うテックリード職の人でも社内で評価されうる状況を目指す
- 例えば、技術開発、OSS活動、執筆、登壇などを行う技術的に常に組織の中でもトップを走り続ける典型的なテックリード職のみがゆめみのテックリードではない
- 育成に特化したテックリード職もいたり、教育プログラムを作ることが得意なテックリード職など細分化された役割に特化して活躍できるのがゆめみのテックリード職である
- そしてそれを可能にするのが、1000名を想定した採用を積極的に行いながらも、部署や事業部の壁がなく、プロジェクト横断、チーム横断して組織に対して貢献できる構造を持っているゆめみ ならではの強みとして位置付ける
職種毎のテクニカルリードチームの呼称
- テクニカルリード
- デザインテクニカルリード
- PMテクニカルリード
- セールステクニカルリード
など様々であるが、全てテクニカルリードと呼び、広い意味での技術を後方支援として提供する
(重要)戦術的な動き方
以下のように、グループ全体の各プロジェクト状況に応じて動き方を戦術的に変える
- 緊急時
- 各プロジェクトの前線に迅速に駆けつけて、コミッターとして救助、レスキュー、トラブルシューティング対応を行う
- 緊急事態とは、顧客不満、納期遅延、品質管理悪化などのリスクが高い状況
- 平時
- 各プロジェクトを後方支援する
- 具体的にはレビューやレクチャー、新技術導入支援を行う
- 安定時
- 各プロジェクトで相互レビュー、支援体制ができている場合は後方支援もほとんど必要ないことがある
- 念のため、Guild上ではリード業務という案件登録を10~30%を目安のバッファとしてあらかじめ確保しておくが、当月になったタイミングで後方支援が必要ないと判断された場合は「空き稼働」の扱いになるので、リソースガイドラインの「稼働が空いた場合の動き方」に沿って、カイゼン活動を行う
- カイゼン活動としては、まずはテクニカルリードチームを対象に行い、それもやる事が無ければ、グループに関するカイゼン活動を行う
- グループに関するカイゼン活動としては、実際には、委員会活動のチケットを優先度が高い順番から実施することになる
バッファの確保
- 緊急時の対応や平時の後方支援に備えて、バッファを常に確保しておく必要がある
- Guildはテクニカルリード業務
- ZACの付け方は、 を参考にしてください
- テクニカルリードは以下をバッファの目安として案件登録を事前に行う
- 毎月10〜30%の範囲
- 委員会活動について
- グループが安定してくると、テクニカルリード業務もそこまでバッファとして確保する必要がない場合がある
- その場合は、委員会活動を予め計画的におさえておく
- 目安として10〜30%の範囲
- 以上のように、テクニカルリード業務・委員会業務として後方支援や組織成長活動に関わる事もあるが、そのような各種カイゼン活動を効果的に行うには、普段からプロジェクトに関与して、現場の課題を理解して、最新の技術を磨き続ける必要がある
- 従って、テクニカルリードチームのコミッターであったとしても、50%以上はプロジェクトの担当者として実務を継続的に行う
- 50%以上というのガイドライン、目安でしかないが、大切なのは継続した技術獲得活動が必要ということ
職種毎の戦術的なテクニカルリードの動き方の例
緊急時・平時・安定時という3つの局面による動き方のガイドラインを示しています
役割 | 😱緊急時 | 😊平時 | 😆安定時 |
---|---|---|---|
納期や品質に問題がある状況
リソースが不足するなどの状況
に対して、実担当者として対応する | 設計レビュー
コードレビュー
技術標準レビュー
新技術導入支援
ジュニアメンバーへのペアプロ、レクチャー | テクニカルリードチームのカイゼン活動
※例えば、チームで網羅的にプロジェクトをレビューできるように分担をする
テクニカルリードチームとしてのカイゼン活動もすることがなければ、空き稼働時の動き方に沿って、委員会活動を行う | |
納期や品質に問題がある状況
リソースが不足するなどの状況
に対して、実担当者として対応する | クリエイティブレビュー
デザインレビュー
デザインガイドラインレビュー
新ツール・手法導入支援
ジュニアメンバーへのペアワーク、レクチャー | デザインテクニカルリードチームのカイゼン活動
※例えば、チームで網羅的にプロジェクトをレビューできるように分担をする
テクニカルリードチームとしてのカイゼン活動もすることがなければ、空き稼働時の動き方に沿って、委員会活動を行う | |
納期や品質に問題がある状況
顧客満足に不満がある状況
リソースが不足するなどの状況
に対して、実担当者として対応する | プロジェクト計画書レビュー(体制、契約、納期、リスク評価)
見積工数レビュー
プリセールス支援
契約交渉支援
スクラムマスター支援
アソシエイトPMへの育成・フォロー | テクニカルリードチーム内のカイゼン活動
※チームで網羅的にプロジェクトをレビューできるように分担をする
テクニカルリードチームとしてのカイゼン活動もすることがなければ、空き稼働時の動き方に沿って、委員会活動を行う | |
顧客満足に不満がある状況
に対して、実担当者として対応する | 営業計画(アカウントプランニング)レビュー
見積提案レビュー
セールス支援
契約交渉支援
アソシエイトへの育成・フォロー | テクニカルリードチーム内のカイゼン活動
テクニカルリードチームとしてのカイゼン活動もすることがなければ、空き稼働時の動き方に沿って、委員会活動を行う |
3つのリードの立ち位置の違い
Miroの組織見取図参照
- 上記のようにテクニカルリードとプロジェクトリード(いわゆるリードエンジニア、リードデザイナー)はプロジェクトに対しての立ち位置は大きく異なる
注意
- 職種としてのテックリード職の人は、テクニカルリードとプロジェクトリードを両方の役割を兼務する事があります
- 例として、あるプロジェクトではリードエンジニア、別のプロジェクトに対してはテクニカルリードという関わり方をする事はあります
- テクニカルリードとプロジェクトリードはどちらが技術力が高いという差はなく立ち位置や役割の違いを表しています
- 求人票でテックリード職として募集して入社した人でも、役割としてテクニカルリードのみにとどまる必要はなく、時にはマイスターエンジニア、時にはスクラムマスター、時にはリードエンジニアなど様々な役割を兼務可能です
カスタマーリードの位置付け
- 顧客に寄り添った上で、顧客のビジネスの成功を目的として、積極的な提案活動を行う。実態としては、様々な職種が横断して集まり、カスタマーサクセスの役割を担う事になる。
- プロジェクトの原価には含めず、顧客から費用を頂く事もしない。マーケティンググループにカスタマーリードチームを設置して、稼働は間接部門稼働として位置付ける
- 事業部の人数に対して、最適なカスタマーリード稼働は今後1年かけて探索していく
- 顧客の不満起点ではなく、ゆめみ起点で能動的に活動を行う活動となる。
- 顧客不満を事前に営業担当が予知をして、各グループに対してカスタマーリードとしての役割を担ってもらうように依頼する。
- 一方で、営業担当からの依頼ではなく、事業部門のメンバー起点で 能動的に行う場合もある
- 特にフルサイクルエンジニア・クリエーター・サービスデザイナー・UXリサーチャーなどの職種は、カスタマーリードの役割を0.3~0.5人月など毎月一定稼働を確保して行う場合が今後ありえる
参考)委員会の活動例は下記の「委員会標準」に記載
委員会の定義・標準化ドキュメント
参考)リードロールの動き方
- 現代サッカーにおける「戦術的ピリオダイゼーション」という考え方を応用しています