背景
- 自律・自学・自責について、認知の歪みや、それぞれを過度に行いすぎる事で、マイナスの影響が起こることがある
- それぞれのマイナスの影響を、それぞれのプラスの影響が補完する関係性がある
- 脱人間中心設計の考え方として、メンバーに意識レベルの発達に関するストレッチを促すような設計にする
脱人間中心設計 http://kmhr.hatenablog.com/entry/2016/12/12/131515
- 多くの会社のバリューズ・行動指針は、「責任・協調・挑戦」の3つの相補関係で出来ている
- ゆめみでは、バリューズを守るべきという同調圧力をかけることは、自律を損なう可能性があるため行わない
- 一方で、認知の歪みについては矯正するために、自律・自学・自責の定義を行い、自分なりの定義を持ち出して、やらない理由を言い出したり、屁理屈や自己正当化をする場合は、論破する
- 自律・自学・自責については、特に社内教育の一環として理解を促すことをするというよりは、敢えて説明はせずに、自己正当化する人がいる場合に本来の定義を説明する材料とする
- 結果として、自律・自学・自責について、誤った認識を持つことを許容し、むしろその誤った認識・行為を浮かび上がらせる、抽出する目的もあり、誤った自律・自学・自責を「偽バリューズ」と呼ぶ
関係性
- 自律のマイナス面は、自責のプラス面が補完する
- 自責のマイナス面は、自学のプラス面が補完する
- 自学のマイナス面は、自律のプラス面が補完する
相補関係の流れ
- 下記の図で相補関係の流れを説明する
① We can Control only Weの補完
自律の根幹となる、自らの行動は他者がコントロールできないという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
個人主義が過度になり、他者に対して、「自己責任」という考えを持って、個人に責任を追及する事である。
これに対しては、Total Responsiblityの考えを持って、個人に対して結果責任を問わない形でカバーする
② Total Responsibilityの補完
Total Responsilbilityの考えである、成果を出すための最善を尽くすという遂行責任をつくすが、結果責任を問わないという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
最善を尽くした上で、成果が出なければ、全く責任はないという考えによって「無責任」が起きる事である。
これに対しては、5 Whysの考えを持って、成果が出なかった理由を分析して、再発防止や改善に尽くす形でカバーする
③ 5 Whysの補完
5Whysの考えである、真因をもとにして再発防止を行うという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
行き過ぎた再発防止策によって、過度なルールを設けたり、目的を見失ったルール設定、標準化が起きる事である。
これに対しては、We can judge What To Do for consumer success という考えを持ってお客様にとって必要な観点での優先順位を持ってカバーする
④ What to Doの補完
We can judge What To Do for consumer successの考えである、顧客主義という考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
顧客のために何とかする・貢献する・頑張るという事で起きる、一人で抱え込みがち、顧客の問題点を指摘できないことが起きることである。
これに対しては、Bad News Fastの考えを持って、周りの助けをもらったり、顧客も含めた両社の悪い情報を共有する姿勢でカバーする
⑤ Bad News Fastの補完
Bad News Fastの考えである、悪い情報を早く共有するという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
既に起きた悪い事象ではなくて、将来起こりえるリスクに対して極端に慎重になり過ぎたり、失敗を恐れたり、リスクを声高に唱えて挑戦しなかったり、周りを萎縮させたりして物事が前に進まなくなる事である。
これに対しては、Fail Fastの考えを持って、小さな失敗を早く行い前に進める事でカバーする
⑥ Fail Fastの補完
Fail Fastの考えである、小さな失敗を早く行うという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
安易な行動や、周りからの意見に耳を貸さない自分に都合が良く、周りにネガティブな影響がある行動をとるという事である。
これに対しては、Not To Doという考えを持って、何をしてはいけないかという考えを持ってカバーする
⑦ Not To Doの補完
We can judge Not To Doの考えである、自らの常識や規範でしてはいけない事を判断できるという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
他者が本人としては正しい事をやっているつもりでも、周りから見た場合に問題がある行動があるというKnowing Doing Gapがある場合、それに対して、Not To Doが出来ていないじゃないかと憤りを感じたりしてしまう事である。
これに対しては、Conflict Resolutionの考えを持って、憤りを解消することは本人しかできないという事で当事者同士の話し合いをする事でカバーする
⑧ Conflict Resolutionの補完
Conflict Resolutionの考えである、当事者同士の話し合いで自らの感情を解消するという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
他者に対して暴力的なコミュニケーションをとってしまう事である。
これに対しては、Change-Growthの考えを持って、誰もが成長する事ができると信じる事でカバーする
⑨ Change-Growthの補完
Change-Growthの考えである、誰もが変化を楽しみ成長できるという考えについての認知エラーで起きるマイナス面は
成長を相手に求めすぎる事で、結果として相手の自発的な成長を阻害したり、相手が成長できると期待し過ぎて成長ペースが遅い場合に苛立ちを感じる事である。
これに対しては、We can Control only Weの考えを持って、相手をコントロールできないという考えを持ってカバーする