背景
- アジャイル組織とは一般的な言葉ではない
- 一方でゆめみでは重要な意味をもつが具体的な定義がされていなかった
- 基本となる定義をした上で、より解像度が高い議論が出来るようにしたい
- あるいは定義論で時間を費やす事がなく、あるべき姿に対してどうするべきかについて議論が出来るようにしたい
- アジャイルというキーワードでゆめみに注目をしてもらいたいという狙いと、ティール組織という言葉を使わないようにしたいという事で、2018年10月1日にアジャイル組織宣言を行った
- また、アジャイルソフトウェア宣言になぞらえて、アジャイル組織宣言という言葉を使いたかったという背景もある
狭義のアジャイル組織の定義
- 狭義の定義
- Self-Design、自己組織設計可能
- 自身が自身の組織を変化させる事ができている
- あるチーム・組織単位を外部の視点から観察した時に、まるで自身で自身のチーム・組織を外部環境に合わせて変化・適応させる事ができている組織
- 広義の定義
- 外部に関して適応的である組織
ゆめみにおけるアジャイル組織の定義
- 狭義のアジャイル組織の定義に加えて以下を意味する
- チームやプロジェクトのメンバー編成・異動が、特定の人の指示ではなく、本人の判断によって行われ、実行が機動的に行われる
ゆめみのアジャイル組織での実践例
- チームの新設、分割、合併などをチーム自身がプロリクを通じて行う事が出来る
- チームの異動やプロジェクトメンバーの再編成などが、マネージャーといった特定の人の権限と指示で行われるわけではなく、相談にもとづいて、最終的に本人の判断によって実施される。そこには、部署の壁、事業部の壁、マネージャーの一存などは介さないという意味での機動力がある
ゆめみがアジャイル組織である時のメリット
- 顧客にとって機動的に欲しい機能をゆめみは提供してくれる
- これが一番のメリットであるべき
- 組織戦略は事業戦略に従うべきという考え方がある
- 例)来週、催眠術を使ったワークショップを開いて欲しいとなった時に機動的に答えられる
- どこまで希少価値が高い機能をゆめみが1000人の組織になった場合に提供できるかは継続議論が必要である
- 社員にとって自分にあったチーム、プロジェクトをより選ぶ事が出来る
- 社員にとって、自分が望むチームがない場合に、自分の関心にあってチームを新設する事ができる
- 小さい単位で、新しい組織が生まれるなど実験的な活動が増える
- 結果としてそれが組織全体に広がる大きなうねりになる可能性の目を恣意的にはつぶさない組織設計
ゆめみがティール組織である点
- アジャイル組織とティール組織は異なります
- ティール組織は組織としての発達段階として、より発展的な形態の特徴を表したものです
- ゆめみはティール組織を目指しているわけではないとしてきましたが、実態としてティール組織の特徴を実践しているので、ティール組織と自称することになりました(2021/10/27)
- 特に、以下の特徴を持っていることがティール組織としてのゆめみ の特徴です
- プロリクにより助言プロセスを全面的に採用している
- 全員CEO制度により代表取締役権限がメンバーに与えられている
- ティール組織の3つの特徴の一つである「自主経営」が特にゆめみでは発達してきました
- ただし、自由にチームが作れるので、自身の関心や趣味に関連したチームを作るなどの動きは、個人の能力、特性をなるべく全て活かす、ティール組織の「全体性(ホールネス)」に通ずる部分もあります
ホラクラシー型組織との共通点・違い
- ホラクラシーは役職主導階層組織のような役職に権限を集中させるのではなく、役割に権限を広く分散して行う組織デザイン手法です
- 厳密には、ホラクラシーというのはホラクラシーワン社が定めるホラクラシー憲法を採用している組織を指します
- ゆめみは、ホラクラシーの役割主導型組織を参考にしており、役割の流動性がある点が共通点となっています
- 一方で、ホラクラシーのような厳密な憲法はなく、またリードリンクという(リソース分配)権限を単一に集中する構造はとっていない点が違いとなります
アジャイル組織ではない組織
- 経営、人事、マネージャーなどがつぶさに現場を観察しながら、必要に応じた組織変更を決定するといったアプローチ
- つまり観察者が組織を変更する主たる実行者になっている
- 逆に言えば、組織に所属している人たち自身が組織を変更することはできない
- チーム、部署間の人事異動については、異動元と異動先のマネージャー等責任者の承認や判断が必要となっている組織
- 公募などがあったとしても、あくまで異動先、あるいは異動元の責任者いずれかの承認が必要になる