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背景
- 意思決定プロセスとして、プロリクを導入して時間経過が経つが、ギルド毎に課題が発生する中で、ギルドによって最適な一次意思決定プロセスが異なることがわかってきた
- 一次意思決定プロセスとは、何か新しい意思決定を行うときに、「まず最初に選択されることが望ましい意思決定プロセス」を指す
- 次に、プロジェクトや各ギルドごとにおける一次意思決定モデルについて考察する
プロジェクトにおける意思決定モデル
- プロジェクトにおける意思決定モデルを考えてみる
- プロジェクトにおいては、顧客からの依頼が「プロリク」のような明確なものとは限らず、曖昧であったり「えいや」のような形で依頼されるもの、あるいはセンシングして暗黙的に期待されるものを察知しないといけない要求から対応がスタートするため、プロリクが一次意思決定プロセスにはなりにくい
- つまり、プロジェクトにおけるプロジェクトオーナーであるPMとしては、原則的に「えいや」として決めたことが一次的に決定した意思決定の内容となり、プロジェクトメンバーはその意思決定に対してフォロー(遵守)していく必要がある
- 一方で、PMが「えいや」で決めたことが、実態として完全に正しいとは限らず、また一次的に正しいとしても永続的に正しいとは限らない。したがって、えいやで決めた内容だとしても、プロジェクトメンバーはそれに対して対案を出したり、レビューすることは必要となる
- その結果として、PMが「えいや」で二次的な意思決定を行うこともあり、その時点で次の意思決定がなされる
- これを繰り返す中で、プロジェクトメンバーとしては、何が正の意思決定かが判明しないことも起こり得るため、明示的に意思決定された内容を周知・記録する意味で、敢えて「プロリク」により意思決定の明確化、確定を行うことも有効な場面がある
- いずれにしても、原則的にプロジェクトにおいては、プロジェクトオーナーであるPMが一次的な意思決定をえいやで行うということが重要になる
プロジェクトにおいては、プロジェクトオーナーが決めたことが「正」とする
ギルド毎の意思決定モデル
- このような一次意思決定プロセスが、ギルドによってどうあるべきかについて考察したところ、以下の「ギルド毎の意思決定モデル」のようにギルドによってグラデーションがあるという仮説を立てた
- 仮説については今後検証していくが、少なくともギルドによって最適な一次的に行う意思決定プロセスは異なるということを踏まえて各ギルドのメンバーは意思決定に対し知恵フォローしていくものとする
上記の図にあるように、アーキテクト、プロダクトデザイン、PM、broad、CxO室については、経験をもとにして最適な意思決定を行うことができる「オーナー」が意思決定を行うことが望ましい。その際の一次意思決定プロセスは「えいや」で行われることが望ましい。
一方で、オーナーが意思決定に専念するためには、意思決定に従って他のメンバーが業務遂行を行ったり分担できるように、標準化・平準化・仕組み化などが必要となる。
ただし、仕組み化はあくまでオーナーを活かすための手段であり、どこまで行ってもオーナーが行う意思決定はどこまでいっても俗人的になるし、なって良いものとする。
逆に、上手の左側のブロックにあるような「コーポレート」「オペレーター」「テスター」のようなギルドについては、個に依存しないように仕組み化をすることが目的となっている。ただし、左側のブロックのギルドにおいても、オーナーの役割を担う人が「えいや」で決めることは存在する。手順や標準に沿って業務を行う中でも、イレギュラー判断や難しい意思決定を行うことは必要になる。ただし、まずは手順や標準、ガイドラインがあった上で、その標準化ドキュメントなどに沿った上で、オーナーが判断を行っていくという点では、一次意思決定プロセスは「プロリク」が望ましい。
このようにギルドによって、あるべき意思決定モデルが異なることに留意していくことをガイドラインとする。