問い:分散して、それぞれのスコープを自律して担当する親子関係にあるチーム同士は、一体どのように協調するのか?
協調は、チームの緩やかな二重連結で実現する。
チームの特徴は以下の通りである
- チームには必ず主担当(コミッター)と副担当・後方支援担当(コントリビューター)がいる
- 上図で、子チームの最低1名のコミッターが、親チームのコントリビューターとしてメンバーに参加している
- そして、親チームと子チームをつなぐ、連結ピン(Linking Pin)の役割を果たしている
- 連結ピンの役割としては、以下のような協調を行うための役割が挙げられる
- 子チームの状況を親チームに知らせる
- 子チームの観点から、親チームに意見・提言などを行う
- 子チームのスコープ変更に伴って、親チームのスコープとコンフリクトする場合などに、親チームのコミッターに提案を行う
- 一方で、親チームの最低1名のコミッターが、子チームのコントリビューターとしてメンバーに参加している
- そして、親チームと子チームをつなぐ、連結ピン(Linking Pin)の役割を果たしている
- 連結ピンの役割としては、以下のような協調を行うための役割が挙げられる
- 親チームのストーリーに沿っているかどうかを定点観測する
- 親チームの観点から、小チームに意見・提言などを行う(ただし、コミッターではないのでスコープ変更は行えない。ここが、従来のトップダウンとは異なる点)
- 親チームのストーリー・スコープ変更に伴って、子チームのストーリー変更や、スコープがコンフリクトする場合などに、子チームのコミッターに提案を行う
- このように、親子関係において、二重連結を持つことで、協調を実現する。
- 親子の関係性は、上位の目的と下位の目的というストーリーにおいて階層的な関係性はあるが、意思決定においては、お互いに影響を及ぼし合いながら、共進化していく意味では、トップダウン・ボトムアップとは異なると言える。
- 従来の組織との大きな違いは、親チームのコミッターが、子チームのコミッターにはなれないこと。
- したがって、いくら親チームのコミッターが、意見をだそうとも、最終的に決めるのは子チームのコミッターであるという点。
- このおかげで、親チームのコミッターが、子チームのSlackチャネルに入って意見を言ったとしても、それはあくまで参考意見でしかない前提が成り立つ。
- 従来の組織であれば、親チームのコミッターに意見を言われると、どうしても、その意見に影響されてしまうために、子チームのSlackチャネルに参加してもらったり、余計な口出しをしてもらいたくないものである。
- そのような形で、親チームのコミッターが、子チームに対して意見ができなかったり、Slackチャネルで様子を見ることができないとすると、ともすると、子チームが危険な方向にいったり、経験者ならではのアドバイスができない可能性がある。
- あるいは、親チームのストーリー変更に伴って、子チームのストーリー変更を行う連携がスムースにいかないなど、不都合が生じるのも容易に想像ができる。
- このように従来とは違った形で、付かず離れずの協調を行うことができるのが、二重連結の特徴である。