参考)2019デブサミ夏の片岡発表より抜粋
実は、階層的に組織が構成され、上位から下位に従って、目的・業務範囲・役割範囲を連鎖的に分担する点は従来の組織とゆめみの組織はどちらも違いない。
しかしながら、新しい組織では、階層の上位から下位にしたがって、権限が委譲される形ではない。①、②のようにチーム内で完結する形の自主的な権限が、あらゆる主担当者に分散されている点が大きく異なる。
従って、フラットな組織でなく、階層的な組織である。必ず組織の規模が大きくなれば階層がうまれる。なるべく階層を少なくする意味で、フラッターな組織はあったとしても、階層がないという意味でのフラットな組織はあり得ないのである。
従来組織において、例え責任者が権限を委譲したとしても、結果責任は委譲されないため、責任者が主担当に思いきって任せるには相当な責任者の胆力を必要とする。現実的には、何かの時に責任者が介入する事があるため、その場合は、主担当の自律的な意思決定は一部にとどまる。
新しい考え方の狙い
①により、現場をよく知り、実際に主担当を担う人同士が集合知を活かした意思決定ができる
②により、失敗を恐れず、実験・リスクテイクできるようにする
③により、目的に沿った形での、目標・チーム間の業務分担の変更という調整機能が機動的に実現される
④により、何かあった時の問題解決や原因分析を行い、チーム同士の協力を行えるようにする
⑤により、全社的なサポートを柔軟に実施する
参考)2019デブサミ夏の片岡発表より抜粋
従来の構造は権限が入れ子構造になっており、かつ権限保有する人が単一障害点になっている
ゆめみの組織構造は、権限が分散されており、かつコミッターで冗長化がされている。これを権限分散と呼ぶ
権限が入れ子構造の問題点は、上記の図で言えば、広報課の課長は広報課における権限を保有しているが、マーケティング部の部長は、広報課をオーバーラップする形で権限を入れ子式に保有している。つまり、広報課の課長が行う意思決定をマーケティング部長は上書く事ができるが逆はできないのである。
つまり、マーケティング部長が広報課の理解がなかったり、お互いの人間関係の質が必ずしも良くない場合などにおいては、広報課の課長はマーケティング部長に広報課の実情を説明しきれないと、いくら広報課についての意思決定を自身ができるとは言え、いつかマーケティング部長に意思決定をひっくり返されるかと考えて、大胆な意思決定がしにくくなるのである。
上司・BOSS・マネージャーがいない組織なのか?
いいえ、あなたが上司です
- 一方で、自身よりも経験や知見がある、自身にない特性があり「上に司る人」という意味では、あなたの周りの全てが上司です
- また、以下の職能型チームの果たす役割にあるような役割をチームメンバーに対して提供するのは「上司」であるあなたの役割です
- 稼働の平準化
- プロジェクトのリスク共有
- ナレッジ共有
- モヤモヤ・ワクワク傾聴
- キャリア壁打ち
- 各種プロリクレビュー、承認依頼
- ローテーション調整
- 四半期振り返りや目標共有
職能型チームの役割・機能
いいえ、あなたがマネージャーです
- ゆめみ では、特定のマネージャーのみに責任や権限が集中する設計を極力避けています
- その上で、委員会標準にあるように、プロセスマネジメントの役割を細かく細分化した上で、全てのメンバーが何かしらの委員会のWGのコミッターとなりマネジメントを担当する事がルールとなっています
- つまり、マネジメントの役割が細分化されて分担されており、一人ではなくチームとしてマネジメントすることになりますが、あなたなマネージャーなのです
いいえ、あなたがBOSSです
- ゆめみでBOSSというのは、ゲームで登場するボスのように、「乗り越えるべき」存在です
- 自分にとって苦手な人、シャドーを投影する相手であっても、社内、社外で仕事を通じて関わることはあります
- その時に、避けるのではなく、自分自身と戦いながら、相手を乗り越える事が求められます
- 時には、相手にとって敢えて高い障壁となるような振る舞いをBOSSがする場合もありますが、その経験や痛みを通じて人は人間的に成長します
- そうです、あなたは周りの人にとってのBOSSであるべきなのです