面接評価に関連するキャリア想定と採用人数バランスについて
新卒デザイナーとして採用する中で、以下の3つのキャリアの中でリーダー職位の成長が4年、シニア職位の成長が8年かけてイメージできる必要があることとしています。
入社時は幅広いデザイン領域を担ってもらう想定ですが、3年以内に軸を決めて専門性を少しずつ高めていくことを期待しています。
最終面接の採用評価の中では、いずれかのタイプかに合うかどうかを想定していますが、標準的には2. のプロダクトデザイナーの採用を基本とした上で、1, 3については高い専門性が期待できる場合に若干名を採用する方針とします。
- UIデザイナー
- プロダクトデザイナー
- サービスデザイナー
UIデザイナー
- 資質
- オタク的につきつめる
- 職人的な緻密さ
- 技術に興味があること
- ポートフォリオ
- モバイルアプリあるいはPC WebのUIにおいて、多様な優れたアプリやプラットフォーム理解、技術理解があると思われる程度にリサーチしている事が伺えること
- 画面の構成要素の細部に緻密なこだわりを見せている
- パッと見てメジャーなアプリを彷彿とさせるイケてるデザインであること
- その中に個性的な要素があってもよいが、お作法を理解して、それに沿っていることは大切
- ポートフォリオはチームではなく、個人としての実績が複数あり、多様なサービスにも対応できていること
- 多くの新卒のポートフォリオはデジタルサービスに関する実績数が少ない事が多い
- 最低限3種類以上、できれば5種類以上
- ソフトスキル
- ビジネスコミュニケーションの高さはそこまで無くても大丈夫
- キャリア
- UIデザインの専門性を高めたいという意思があることが大切
- 加点要素
- モバイルアプリもPC Web両方のUI実績があればなお良いが、無くても大丈夫
- デザイン情報学部など、技術とデザインの両方をやっていたりなど、デザインエンジニアリングに関心がある人についてはデザインエンジニアとしての将来性も加味
プロダクトデザイナー
- 特徴
- UXデザイン、UIデザインの両方を行うことができて、必要な工程を行き来できる
- PdMの補佐としては、幅広いマネジメント、ディレクション、プロジェクトマネジメントの役割も担うことができる
- 資質
- 幅広いスキル、役割を担える器用
- 様々なタイプのPdMにあったコミュニケーションをとり関係性を構築をする事ができる
- 補佐役として、空気を読み、気を利かせて立ち回る
- 時にはPdMをリードして推進する
- アイデアをすぐに具現化できる各種技能
- ポートフォリオ観点
- リサーチ、コンセプトを踏まえたUIデザインの実績があること
- チームとしての実績であってもよい
- ソフトスキル
- ディレクション力
- マルチタスク
- 加点要素
- 美大芸大出身などで幅広いデザインアプローチの素養がある人については加点要素として加味する。ただし、その場合もデジタル含めた幅広いデザインに関心がある必要はある
サービスデザイナー
- 資質
- 物事を「前に進める意思」がある
- 「場をつくる」ことができ、特には自身が主導することもできる
- 自身の「ワクワク」を周りに伝播させること自然にできている
- ポートフォリオ観点
- リサーチの徹底さ
- 情報設計力の高さ
- 着想のユニークさ
- ソフトスキル
- 言語化力
- クリティカルシンキング
- ロジカルコミュニケーション
- ファシリテーション
- 加点要素
- ビジネス視点があればなお良い
- ドメイン理解のキャッチアップあるいは、広範な知識欲
- 総合系の大学院までいって本格的、多様な実践経験、思考トレーニングがある人は加点要素として加味する
- キャリア
- どのようなサービスデザイナーになりたいかは定まっていなくてよい
- 備考
- サービスデザイナーは比較的中途でシニア職位採用できているのと、サービスデザイナーとしての育成期間は5-10年と長くなることが想定されるので、新卒採用としての採用基準は厳しめになっている
以下のいずれかで新卒とは思えない圧倒的なものがある
その他方針
- グラフィックデザイン、イラストレーション「のみ」に傾倒している人はなかなか内定は出にくい
- プロダクトデザインとして物理的な「モノ」のデザインの実績割合が多くても、その中での多様な実績と深い思考があればサービスデザイナーとしての採用の可能性はある
業界考察とゆめみの採用前提
- 業界全体として、デジタル系における新卒採用枠は300席ぐらいと極めて少ない
- 企業側の想定するデザインが表層的なデザインにまだまだ留まっている事による需要が少ない事も要因である
- 一方で大学での学習内容が企業が求める実践と異なるという乖離も理由がある
- 結果として、学生でポテンシャル、センスはあるものの、より実践的な活動をしている人に内定が出る傾向がある
- したがって、ゆめみの一次面接担当が「この学生の候補者の方は育成すれば、伸びるのになぁ」と判断する人も最終面接では不採用になってしまう可能性があります
- この状況は必ずしも長期的な業界視点では望ましくないので、学生、大学への啓蒙や、企業へのデザイン組織理解の啓蒙などは進めていきたいと思っています
- 学生向け勉強会の開催なども行っていきたい