この勉強会は、技術同人誌を作ってみたいアソシエイトエンジニアを対象に、技術書を執筆する上で必要そうな事柄を俯瞰的に広く見渡しながら Notion に整理していく社内勉強会です。
※ 参加者の一般公募も行われますので、社内外のメンバーで集う会になります。
目標
技術同人誌を執筆しようにも皆目検討つかない人が、執筆から製本までに知っておくと円滑に進められそうな知識にひととおり触れる、そんな機会になるのを目標にします。
そして隠れた目標として、この勉強会を通して Notion に整理した情報をそのまま使い、最終回に本の体裁に整えた PDF を出力しました。これが同人誌でいう「原稿」になります。この勉強会を通して、執筆を疑似体験してもらえていたとしたら幸いです。
諸注意
- この勉強会は、技術同人誌を執筆する上で必要になりそうな情報を見ていきながら、それを Notion に整理していく集まりになります。
- 話しながら Notion にまとめていく都合、流暢な感じには進まないと思いますのでご承知おきください。
- 開催スタイルに無理があったら、途中で大幅に軌道修正するかもしれません。
この勉強会で扱う話題
勉強会で取り扱った話題です。各項目はプルダウンで階層を辿れるようになっていて、そこからその詳細を見ることができます。
ここでは勉強会で話した内容の記録だけでなく、当勉強会をそのまま同人誌執筆に見立てたときの目次案にもなっています。執筆に際して、各項が何ページになりそうかを予想して 想定ページ数
に記載しています。また、その配下を含めた総ページ数を集計して 見込みページ数
に反映、全体で何ページになりそうかを見積もっています。
話題 | 話題にした回 | 概要 | 想定ページ数 | 見込みページ数(小計) |
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同人誌と一口に言っても、そのスタイルによって敷居の高さが変わってくる。単著と、アンソロジー、そのあたりについて簡単に紹介する。 | 1.3 | 1.3 | ||
電子版の特徴。実感は薄れるものの、取り扱いがとてもしやすい。技術同人誌ではじゅうぶん市民権を得ている印象。 | 0.5 | 0.5 | ||
製本版の特徴を紹介。最も実感の枠、同人誌らしい形態。 | 0.5 | 0.5 | ||
0.5 | 0.5 | |||
普通なかなか、印刷所に本を作ってもらう依頼はしないもの。そもそも個人でできるかについてから紹介する。 | 0.6 | 0.6 | ||
印刷所に依頼する方法について、イメージが掴める程度に紹介する。 | 0.6 | 0.6 | ||
印刷所に発注するにあたって、どれくらいの期間で納品されるかについて紹介。思ったより短い納期で驚いた記憶。 | 0.6 | 0.6 | ||
‣ 表紙 | 表紙周りで出てくる、表紙を制作する上で知っておきたい事柄を紹介していく。 | 0.2 | 0.2 | |
発注する際の原稿の用意の仕方について大まかに知っておく。 | 0.2 | 0.2 | ||
印刷所によっては原稿用紙で入稿するプランもある様子。そういう形に憧れるかもしれないし、そうするものだと思っている人もいるかもしれないし、馴染みのないところなので紹介しておく。 | 0.3 | 0.3 | ||
本を構成する、本文と表紙について。ここでは簡単な紹介にとどめ、詳細は以降で行なっていく。 | 0.6 | 0.6 | ||
印刷方法も、最初はどういうものかわからなかったので紹介する。それぞれの特徴についても紹介する。 | 0.7 | 0.7 | ||
こちらもやってみるまであまり意識していなかった綴じ方の話。その種類と、それぞれの特徴について紹介。 | 0.3 | 0.3 | ||
‣ 本文 | 本文周りで出てくる言葉について、よく聞き、あまり馴染みのないものに注目して紹介。 | 0.2 | 0.2 | |
個人的におすすめしておきたい、遊び紙について。これを入れるとすごく本らしくなるので推しておきたい。 | 0.5 | 0.5 | ||
表紙はどんな構成になっているのか。表紙を発注する上で必ず出てくる「表1」みたいなところを説明する。 | 0.6 | 0.6 | ||
他にもいろんな加工ができたりするので、それについても簡単に紹介しておく。 | 0.4 | 0.4 | ||
最も同人誌らしい流通経路。いくつか有名どころがあるので紹介しておく。 | 0.2 | 0.2 | ||
いわゆる通信販売としての委託と、同人誌界隈でよくあるサークル間での委託、それらについて紹介する。 | 0.5 | 0.5 | ||
同人誌を販売する際に、とても悩む値段の付け方。一般的な指標があるのでそれを紹介。 | 1.2 | 1.2 | ||
印刷部数は悩ましい。それについてを紹介する。さまざまな要因に左右されるため、正解はそれぞれにしかない。 | 0.8 | 0.8 | ||
電子書籍を販売できる場所に Amazon Kindle がある。ちょっと箔がついた気分になれるかもしれないので紹介しておく。 | 0.5 | 0.5 | ||
どこで頒布するかをイメージすることで、締め切りが見えてくる。締め切りが得られれば、あとはそれを目指して書くだけ。 | 0.4 | 0.4 | ||
製本版にするか電子版にするかでも締め切りに対するアプローチの仕方が変わってくる。 | 0.3 | 0.3 | ||
実際に執筆を始める前に、最後に締め切りの最終確認を。早割などの目標を定めて、準備万端。 | 0.5 | 0.5 | ||
どんなテーマを選んだら良いか。そして目次案を作成する。それさえ出来れば本は完成したも同然。 | 0.3 | 0.3 | ||
0.4 | 0.4 | |||
どんなツールで書いたら良いか。なんでも良いとは言ってもどうしたらいい?みたいな疑問を解消しておく。 | 0.4 | 0.4 | ||
ひたすら書くだけ。コツコツと書いていく。 | 0.3 | 0.3 | ||
やる気が出ないのは当たり前。みんなそうだから安心して良いのと、そんなときには執筆会を開いてみたりしよう。 | 0.6 | 0.6 | ||
原稿を書き終わったら、あともう一息。内容に間違いがないか確認しておこう。 | 0.4 | 0.4 | ||
はじめに・おわりに・奥付けは定番だけれど、なければいけないものではないことを紹介する。執筆の負担を軽減できたら良いし、余力があれば入れてみても良いし。 | 0.4 | 0.4 | ||
目次と索引についても同様に、必須ではないので、できたら入れようみたいなお話。索引は同人誌ではほとんどない印象。 | 0.3 | 0.3 | ||
表紙をどう用意するかについても、第三者に依頼するなど、知見的なところを紹介しておく。 | 0.2 | 0.2 | ||
原稿は PDF で用意すれば大丈夫。今時ならそうとう敷居が低いはず。 | 0.3 | 0.3 | ||
本文原稿を用意する際のデータ形式などについてを紹介する。 | 0.4 | 0.4 | ||
印刷所に発注してから納品までの流れを簡単に押さえておくことで、その段階になったときに迷わないように。 | 0.4 | 0.4 | ||
何かと聞く、ノンブルという言葉。それの意味するところを紹介。 | 0.5 | 0.5 | ||
原稿を用意しようとしたときに出てくる、断ち切り線。これをどう扱ったら良いかを紹介。 | 0.5 | 0.5 | ||
発注するときに意識することになるカラー印刷周りの話を紹介。 | 1.1 | 1.1 | ||
細かくレイアウトしようとすると問題になってくることがある、のど。その存在を知っておくと楽しいかもしれない。 | 0.3 | 0.3 | ||
無線綴じだとついてまわる背表紙について。知っておかないと表紙データを用意するときに焦ることになるので注目しておく。 | 0.4 | 0.4 | ||
レイアウトする上で影響してくる、偶数ページと奇数ページ。これについても知っておくと楽しい予備知識として紹介しておく。 | 0.3 | 0.3 | ||
過去に開発者向けカンファレンスで同人誌を販売したことがあるので、その実体験を紹介する。 | 0.4 | 0.4 | ||
最後に印刷所に入稿するためのデータ作りを。どんなあたりに最低限気をつければ良いかを紹介する。 | 0.2 | 0.2 | ||
本を完成する上で欠かせない、電子版と製本版、それぞれの特徴について紹介する。 | 0.3 | 0.3 | ||
注文するときに何かと時間を取られたのが紙質。いろんな種類があることを知らないと、いざ発注の段階でどの紙が良いのか調査が必要になるので、ここで先に押さえておく。 | 0.6 | 0.6 | ||
0.4 | 0.4 | |||
0.4 | 0.4 | |||
0.3 | 0.3 | |||
0.4 | 0.4 | |||
0.3 | 0.3 | |||
0.6 | 0.6 | |||
0.4 | 0.4 | |||
0.4 | 0.4 | |||
印刷所は電話での問い合わせを歓迎してくれる。納期にも関わるところになるので、わからないときは積極的に活用していこう。 | 0.3 | 0.3 | ||
‣ 同人誌 | この章ではそもそもの同人誌とはどういうものかを紹介していく。 | 0.2 | 0.2 | |
同人誌を知る前に、そもそも同人とはなんなのかについて見ていく。 | 0.4 | 0.4 | ||
同人誌とはどういったものか。そのイメージを漠然と掴んでみる。 | 1 | 1 | ||
技術同人誌とは何なのか。技術書オンリーという価値観について。 | 0.8 | 0.8 | ||
対になる言葉に商業誌というものがあるけれど、それとは何が違うのかについて紹介する。 | 1.2 | 1.2 | ||
同人誌特有の特徴について紹介する。自分が書けば世に送り出せるのが最大の魅力。 | 1.8 | 1.8 | ||
同人活動する上で知っておきたい「頒布」に込められた意味を紹介する。同人誌の真髄とも言える。 | 0.3 | 0.3 | ||
この章では同人誌を書くにあたっての基礎知識を押さえる。 | 0.2 | 0.2 | ||
そもそも同人誌ってどうやって書いたらいいのか。まず、始めるにあたっての方向性みたいなのを示し、詳細はあとで説明していく。 | 0.7 | 0.7 | ||
どれくらいの分量をかくのかというところから、慣れていないと想像できないところなので説明する。 | 0.4 | 0.4 | ||
執筆を始めて、完成までにどれくらいの日数がかかるものなのか。実体験を紹介する。 | 0.6 | 0.6 | ||
同人誌制作にかかる費用。それを大きく占める印刷費を中心に紹介する。 | 0.8 | 0.8 | ||
印刷する上で、印刷所を選ぶことになる。そんな話も同人誌を作ってみないとわからないので紹介。 | 0.5 | 0.5 | ||
同人誌についての周辺視野が広がってきたところで、いよいよ制作周りに関係する知識を増やしていく。 | 0.2 | 0.2 | ||
印刷所について、具体的にそれを利用する観点で知っておきたいことを紹介する。 | 0.2 | 0.2 | ||
実際に印刷屋製本を行う際に必要となる知識を整理していく。 | 0.2 | 0.2 | ||
本ができたときに、売る流通経路についても紹介しておく。 | 0.2 | 0.2 | ||
周辺知識の習得は終わり。ここからは実際に書いていく上でのお話。 | 0.2 | 0.2 | ||
執筆を進める上での基本事項はこれでおしまい。他にも出てくるちょっとした疑問を紹介しておく。 | 0.2 | 0.2 | ||
構想が終われば、あとは書くのみ。その中で体験するだろうことのお話。 | 0.2 | 0.2 | ||
書くにあたって、まずは構想。 | 0.2 | 0.2 |
勉強会を通して完成した書籍
この勉強会を通して、原稿を作ってみました。次の PDF は、この勉強会を通して制作した Notion のデータを使って Markdown を生成し、スクリプトでまとめて出力した成果物です。
全 47 ページで、制作期間はこの勉強会の全 7 回の各 1 時間に、それぞれおおよそ 1 時間くらいでの整理を加えたトータルで 14 時間くらいになりました。ただし校正まではしていません。
開催履歴と動画アーカイブ
この勉強会の全 7+1 回の開催記録です。各回のブロックから、その回で取り扱った話題を辿ったり、動画アーカイブをダウンロード可能です。
開催回 | 開催日時 | 話題にした内容 | 動画アーカイブ | 延べ参加者数 |
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February 10, 2023 3:00 PM (GMT+9) | 9 | |||
February 13, 2023 4:00 PM (GMT+9) | 13 | |||
February 14, 2023 1:00 PM (GMT+9) | 10 | |||
February 17, 2023 2:30 PM (GMT+9) | 5 | |||
February 20, 2023 4:00 PM (GMT+9) | 4 | |||
February 22, 2023 5:00 PM (GMT+9) | 5 | |||
February 24, 2023 1:00 PM (GMT+9) | 7 | |||
February 27, 2023 11:00 AM (GMT+9) | 2 |
副産物
こちらは から の PDF を作成するときに使用したシェルスクリプトです。最小限の機能だけを実装した簡易ツールです。
各ページにあらかじめ設定した章節項の順番で Markdown を連結し、その際に見出しに章節項の各番号を挿入された単一の Markdown が生成されます。連結の際、見出しのインデント変更も考慮に入れた作りになっています。これをページ番号付きの PDF 出力できるツールで開いて出力したのが の PDF です。
シンプルなテキストだけで構成された原稿を最低限の加工で完成形にするのを想定したものになっているため、好みに合わせた出力にしたり、挿絵などを含む原稿を扱う場合には対応していないと思うため、各自実際に本を書く際には役に立たないと思われます。